40代で家計が苦しい状況を解消するためには?
「40代」と聞くと、昇進や昇格を経て収入が上がり、安定した生活を送れる年代というイメージがあるかもしれません。
しかし、出産や育児という大きなライフイベントを、40代というタイミングで迎える方も多くいます。さらに日本は、ここ30年間で会社員の給与水準がほとんど上がっていないということもあり、自動車ローンや住宅ローンの支払いも相まって、40代に入って家計の負担に苦しむ方も少なくないというのが実情です。
こうした家計が苦しい状況を脱出するには、日ごろの支出や借り入れ状況を見直すだけでなく、場合によってはまとまった資金を確保することも検討する必要があります。
本記事では家計が苦しいと感じる40代の方のために、安定した生活を取り戻す方法について解説します。
40代で家計が苦しくなる原因
40代で家計が苦しいと感じる場合、大きく分けて2つの要因を考える必要があります。
1)無駄な支出が多い
まず見直すべきなのは、無駄な支出を減らすということです。
40代になると、自身の健康状態への不安や、家族の安定した生活を維持することを目的として、保険への加入を検討する方が多くいらっしゃいます。
ご家庭に合ったプランの保険に加入していれば問題ありませんが、過度な心配からあれもこれもと補償を追加し、保険料ばかりがかかってしまっている家庭が多いのが実情です。
毎月支払が発生し掛け捨てになる保険料が家計に与える影響は、決して小さくないのです。
また、日々の生活でのちょっとした無駄遣いやお得感の強いサブスクリプションサービスも、蓄積することで家計を圧迫している可能性があります。
2)必要な出費が多い
40代という年齢は、働き始めの20代や、会社での昇進・昇格が望める30代と比較して、格段に年収が上がる時期です。しかしその一方で、自動車ローンや住宅ローン、お子様の教育費など、大きな出費が発生する時期でもあります。
さらに両親が高齢になり、介護費用が必要になる場合も。
このように、支払いを途中で止められない支出や、将来への投資として必要な出費が多いというのも、40代の家計状況によく見られる特徴です。
40代で家計が苦しい状況を解消するには?
40代で家計が苦しくなってしまう要因に、無駄な支出・必要な出費が多いということがわかりました。それでは具体的に、どのようにすれば家計を安定させられるのでしょうか。
1)無駄な支出を抑える工夫
無駄な支出については、支出の内容を見直したり、支出そのものをなくしたりする工夫が必要です。
例えば保険内容を見直して、今の自分には必要ない補償をはずすだけでも、保険料を大幅にカットできるケースも少なくありません。保険料や保険の内容は、加入者の年齢や家族構成によって定期的な見直しが必要なため、
他にも携帯電話の利用料金や、電気・ガスの契約先を見直すと、長い目で見て大きな支出削減につながります。
2)必要な出費の負担を軽くする工夫
自動車ローンや住宅ローンを組んでいて、毎月の返済に苦労しているようであれば、まずは金融機関への相談により、返済プランの見直しができる場合があります。月々の返済額やボーナス払いの金額を調整することで、月々の返済金額を抑えることも可能です。
住宅ローンに関しては、ローンを組んだ時よりも金利が下がっている場合、ローンの借り換えをした方がいい可能性もあります。住宅ローンを取り扱っている金融機関のほか、ファイナンシャルプランナーにライフプランの相談をするのもおすすめです。
3)それでも厳しい場合は自宅の売却を検討する
無駄な支出を省き、必要な出費を見直しても状況が変わらない場合は、自宅を売却してまとまった資金を確保することを検討する必要があります。
特にローンの支払が家計を圧迫している場合は、向こう何年も家計のやりくりに苦しむより、自宅を売却して一括返済してしまった方が、金銭的にも精神的にも余裕ができます。
しかし一方で、不動産会社に売却を依頼する「一般売却」で自宅を売ってしまうと、せっかく購入した大切な自宅がなくなるだけでなく、代わりに賃貸マンションを借りるための手間や費用が発生してしまいます。
また、自宅を売却しようと思っても、自宅の売却金額が住宅ローン残債を下回っている場合、住宅ローンを組んでいる金融機関からの承諾が得られず、売却自体ができないケースも考えられます。
このような場合に検討したいのが、「任意売却」と「リースバック」の併用です。
任意売却×リースバックで自宅に住み続ける
住宅ローンの残債が残っている住宅を売却する際、ほとんどの場合で金融機関からローンの一括返済を求められます。住宅の売却金額でローンを完済できれば問題ありませんが、完済できない場合は住宅の売却は認められません。
その点「任意売却」を利用すれば、売却金額でのローン完済が難しい場合でも、自宅を売却できる可能性があります。
1)任意売却とは?
「任意売却」とは、住宅の売却金額でローンを完済できない場合に、金融機関の合意を得たうえで売却する方法です。
任意売却は一般的な不動産売買とは異なり、専門機関や専門の不動産会社を通じて、売却金額がローン残債に満たない場合でも売却できるように交渉します。売却後も残ってしまったローンについては、一括または分割で返済することになります。
しかし、ただ任意売却だけを行ってしまうと自宅が手元に残りません。「リースバック」を活用すると、自宅を売却しても自宅が手元に残るため、売却前と同様に住み続けることが可能になります。
2)リースバックとは?
「リースバック」とは、自宅を売却するのと同時に買主と賃貸借契約を結ぶことで、売却後は買主から自宅を賃借する形で住み続ける方法です。
住宅ローンの返済が滞り続けると、自宅が競売にかけられて強制退去を命じられるだけでなく、自宅を失った後もローンの返済が残り苦しい生活が続くことも否定できません。そのため、住宅ローンの返済が難しいと感じた際に、早い段階で任意売却とリースバックを検討する方が増えているのです。
任意売却とリースバックを上手に組み合わせることで、自宅を手放さず、まとまった資金を得ながら月々のローン返済の負担をなくすことが可能になります。
ただし、リースバックを活用する場合は、買主から自宅を賃借するための家賃が必要な点に注意が必要です。条件によっては、かえって家計の負担を増やしてしまう可能性もあることは知っておきましょう。
家計の見直しと合わせて「任意売却」と「リースバック」を検討しよう
40代は自動車ローンや住宅ローンの支払が継続する中、出産や育児といった大きなライフイベントに関連した出費が多くなることにより、家計が苦しいと感じる人も少なくありません。
何も対策をせずにいると、その後も状況が好転しないだけでなく、急な怪我や病気で収入が減ったり途絶えたりする可能性もあり、より生活が苦しくなってしまうケースも考えられます。
家計の見直しは可能な限り早い段階で着手し、余裕のある収支バランスを保ち続けることが大切です。収支バランスを見直しても家計が苦しいと感じた場合は、自宅を売却しても住み続けられる「任意売却」と「リースバック」の活用も検討しましょう。
任意売却は住宅ローンの滞納が始まった人が多く活用する売却方法です。しかし一方で、ローンの滞納が進むと冷静な判断ができなくなるだけでなく、専門機関に相談してから実際に売却が成立するまで数ヶ月要するため、早めに行動することをおすすめします。
任意売却やリースバックの相談については無料としている業者も多くあるため、上手に活用しながら安定した生活を送れるように工夫しましょう。
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