リーマンショック以降、中小企業を救済する目的で中小企業金融円滑化法などの制度ができましたが、一時的に不動産競売や企業倒産が減少したことをきっかけに平成25年3月同法は廃止されました。
そして、昨今は個人の住宅ローン滞納問題が深刻化されており、競売による強制的な売却ではなく、債権者との交渉によって債務者に選択肢を与える任意売却に対するニーズが高まってきました。
それに伴い、任意売却に関する法律知識と実務ノウハウを有していることを証明する資格が必要視され、2013年11月に第1回任意売却取扱主任者資格試験が開催されました。
任意売却取扱主任者の試験
任意売却取扱主任者の試験は一年に一回、11月に東京と大阪で開催されます。試験内容は、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、民事訴訟法、民事執行法、税法、民法、弁護士法などの法律問題から任意売却取引に必要な手続き等の商慣行や実務に関する問題まで40問の四肢択一(各2点)と2問の筆記(各10点)で合計点数100点で採点されます。合格基準は公開されていませんが、合格率は40%程度だそうです。
受験料は16,200円(税込)になり、受験資格は弁護士、税理士、司法書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士などの有資格者または金融機関、債権回収業または不動産業に2年以上従事した方になります。
合格後の指定講習
11月に行われた試験の結果は、だいたい1月上旬に発表されます。筆記試験合格者は後日6時間に及ぶ指定講習を全てを受講しないと「任意売却取扱主任者」の資格登録はできません。その際に受講料として54,000円(テキスト料含)が必要になります。登録は任意ですが、資格登録をされないと認定証の発行がされません。
任意売却とは
そもそも任意売却取扱主任者が取り扱う任意売却についてですが、任意売却とは住宅ローンが払えなくなった時に、住宅ローンを借りている人(=債務者)と、金融機関(=債権者)との話し合いの元、不動産業者が間に入って市場価格に近い価格で家を売却する手続きのことをいいます。 任意売却取扱主任者は、任意売却成立時に仲介手数料を収入とします。
任意売却取扱主任者の業務内容
任意売却取扱主任者は、任意売却に関するスペシャリストである証明書です。債務者との任意売却に関する相談はもちろん、各関係者と協力し、任意売却案件を取り扱います。任意売却取引では、通常の不動産仲介業以上に様々な連携機関とのやりとりを有し、取引完了まで時間がかかり、労力がかかり、しかも取引が纏らない可能性もある不確実性の高い業務です。債務者への提案は任意売却に留まらず、返済計画のリスケジューリング、住宅ローン以外の債務の返済計画立案、引越し先の確保など、幅広いものとなります。また、任意売却取扱主任者は依頼者のプライベートに深く関わる必要があるため、知識や能力だけでなく、高いモラルも必要とされます。任意売却の背景には案件ごと事情が異なります。親族間のトラブルや不倫など一筋縄ではいかないケースなどが多々あり、任意売却取扱主任者は債務者の心情を理解し、生活の再建に向けて幅広い見地からサポートをしていかなければなりません。
任意売却取扱主任者の使命
当社ライフリノベーションのスタッフももちろん任意売却取扱主任者の資格を有しております。当社が考える任意売却取扱主任者の使命とは、ご相談者様の求めるより良い先を共に見つけていくことだと思います。任意売却は、長い人生の中で躓いてしまった時、再スタートをするための手段の一つであると考えています。その試練を相談者様に乗り越えていただくため、ご相談者様の思いに寄り添った最適なご提案を心がけています。今後も当社は任意売却の業務を通じ、相談に来られた方々の生活が、今よりもさらに良くなるように活動を続けて参ります。
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