はじめに
こんにちは、ライフリノベーションです。
今回は、通常よりも借入額を増やせる「ペアローン」を組んだ状態で離婚をするとどうなるかについてお話ししましょう。
女性の社会進出が進み、夫婦共働きの世帯が増加傾向にあります。
夫婦2人の収入額が確立されていることから、ペアローンを組んで家を建てるご家庭も多いのではないでしょうか。
「借り入れもたくさんできるから」と安易に組みがちなペアローンですが、離婚時には問題も起こり得ます。
本記事では、離婚時にペアローンを組んでいるリスクから対処法まで詳しく解説。
ペアローンを1本化する手順もご紹介しますので、お悩みの方はぜひ最後まで読み進めてみてください。
ペアローンとは
同じ家に対して、親子または夫婦それぞれの名義で住宅ローンを組むのが『ペアローン』
2人の収入額で審査を受けられるので「住宅ローンを組みやすくなる」と定評があります
。
借入可能な金額が1人のときよりも大幅に増やせる点が魅力のひとつです。
また、夫婦それぞれが住宅ローンの控除を受けられるため、税制上でもメリットがあります。
借入額や返済期間は、同じでなくても構いません。
たとえば、夫が2,500万円で妻は1,500万円の借り入れと、差をつけることも可能。
金融機関によっては、2人合わせて数億円の融資を受けられることもあります。
離婚後にペアローンをそのままにする5つのリスク
さまざまなメリットを受けられるペアローンですが、夫婦が離婚した場合はいくつかのリスクが生じます。
ここでは、5つのリスクをご紹介しましょう。
- 離婚後も住宅ローンの返済が続く
- 金融機関との契約違反になる
- 片方に返済の負担がかかる
- 自宅の売却が難しくなる
- 自己破産の可能性もある
リスク①離婚後も住宅ローンの返済が続く
離婚をしたとしても、住宅ローンの返済は続きます。
特に、ペアローンは夫婦それぞれが契約をするため、自分が借り入れた金額は返済しなければなりません。
夫婦2人の収入額で生活費をまかなっていた場合、離婚をすれば、これまでどおりの返済が困難になる可能性も。
さらに、子どもの親権をとり、相手からの養育費も望めなければ滞納のリスクが上がります。
ペアローンを組む際は、夫婦関係解消のリスクを踏まえたうえで慎重に検討しましょう。
リスク②金融機関との契約違反になる
多くの金融機関では、ペアローンの契約条件として「住宅を2人で共有する」ことを掲げています。
そのため、離婚をしてどちらか一方が家を出て行くこと自体が契約違反となりうるのです。
仮に、居住していないことが金融機関にバレた場合、住宅ローンの控除は受けられない可能性が高まります。
最悪の場合は、一括返済の請求を受けることも。
対策として、居住を続ける方の名義へ1本化する手段もありますが、金融機関が難色を示すことが多々あります。
リスク③片方に返済の負担がかかる
ペアローンは、お互いの連帯保証人になる点も特徴のひとつです。
離婚後、どちらか一方が自己都合で返済をしなくなれば、連帯保証人として相手の分まで返済をしなければなりません。
病気や死亡といった場合には「団体信用生命保険」が適用されます。
たとえば、離婚後に夫が病気で亡くなった場合、夫の返済額を妻が負担することはありません。
ですが、夫が亡くなっても妻本人の返済残額がある場合は、住宅ローンの返済が続くので注意しましょう。
リスク④自宅の売却が難しくなる
離婚後「自宅を手放そう」と考えても、ペアローンを組んでいる場合は、相手の承諾を得ないと売却ができません。
離婚前にお互いが話し合い、売却の同意を得られれば問題ないでしょう。
ですが円満離婚とならず、自宅売却の話ができないケースも多くあります。
相手の同意を得られても、住宅や土地の価値が低い場合は売却が難しいことも。
たとえば、自宅の価値が2,000万円に対し、借入額が3,000万円と上回る「オーバーローン」のケースです。
オーバーローンでも売却したい場合は、借り入れた金融機関への相談が必須となります。
リスク⑤自己破産の可能性もある
ペアローンを組んだ後に離婚をした場合、月々の返済が厳しくなれば「自己破産」の可能性も上がります。
自己破産は、裁判所を通じて借金の返済が免除される手段。
住宅を手放すことになりますが、数千万といった多額の返済ができないときの最終手段となるでしょう。
自己破産の手続きは、夫婦2人の同意が必要です。
自己破産をすると、10年ほど新たに住宅ローンを組めなくなるので、判断は慎重におこないましょう。
金融機関の承諾があれば「任意売却」で自宅を売れるため、自己破産の前に専門家への相談をおすすめします。
ペアローンを組んだあとに離婚したときの対処法
ペアローンを組んだまま離婚する場合、対応としては主に「返済を続ける」か「家を売るかの2とおり。
ここでは、具体的な対処法を3つご紹介します。
- 自宅の売却益で一括返済をする
- 任意売却をする
- ペアローンを1本化する
《対処1》自宅の売却益でローン返済をする
離婚後にトラブルを抑えてローン問題を解決できる方法は、自宅の売却益でローンの一括返済をすること。
返済額よりも自宅が高値で売れた場合、残額を財産として分けられます。
売値が3,000万円、ローン返済残額が2,000万円の場合、残りの1,000万円を夫婦で分け合う流れです。
ですが、この手段はローン返済残額よりも売値が高い「アンダーローン」の状態でなければ利用できません。
《対処2》任意売却をする
「自宅を売りたいけどローン返済が残る」という場合は『任意売却』を選ぶのもひとつの手。
任意売却とは、借り入れた金融機関の承諾を得たうえで自宅を売却する方法です。
ペアローンは夫婦それぞれの名義でローンを組んでいるため、金融機関への相談は一緒に出向くのが通例です。
「相手と連絡が取れない」というときは、住宅ローンの専門家へ相談しましょう。
弊社では、やり取りが難しい相手への連絡も代わりにおこないますので、お気軽にご相談ください。
《対処3》ペアローンを1本化する
離婚後、夫もしくは妻のどちらか一方が自宅に住み続ける場合、ペアローンの1本化を選択することになるでしょう。
ペアローンには「住宅を2人で共有する」という契約条件があります。
ローン返済を残したまま、片方だけが住み続けることは契約違反になり、一括返済を求められることも少なくありません。
それぞれ組んだローンを1つの名義にまとめることで、契約違反を解消し、自宅に住み続けられます。
ペアローンを1本化するまでの手順
ペアローンを1本化にするには、以下の手順を踏みます。
- ペアローンを組んだ金融機関へ相談
- 夫婦間で財産分与の合意書を作成
- 共有名義の解消手続き
手順①ペアローンを組んだ金融機関へ相談
初めに、借り入れた金融機関と連絡を取り、ペアローンの1本化(=共有名義の解消)について相談しましょう。
金融機関からは、現在の契約条件や法的な要件に基づいて、必要な手続きを教えてもらえます。
手順②夫婦間で財産分与の合意書を作成
次に、配偶者との間で離婚後の養育費や財産分与の合意をまとめた書面を作成します。
この合意書には、具体的な取り決めを記載しましょう。
- 住宅ローンの共有名義を解消すること
- どちらの配偶者が住宅ローンの返済責任を負うか(共有名義を解消できないとき) など
公正証書といった正式な書面にすることをおすすめします。
手順③共有名義の解消手続き
金融機関の指示に従い、共有名義の解消手続きを進めます。
ペアローンの解消には、以下のような厳しい条件が求められることも。
- 新規で住宅ローンを組む方の収入
- 既存借入状況
- 勤続年数
- 新たな連帯保証人 など
金融機関から関連書面を要求される場合もあるため、指示に従って手続きをおこないましょう。
しかし…ペアローンの1本化には、金融機関の先にある保証会社の承認が必要な事が多く、かんたんに認められないのが実情です。
一度組んだ融資の変更に対し、前向きに取り組んでもらえないことも多々あります。
そのため、手続きが複雑となり手間が多い点から、共有名義の解消を検討する側も後回しにしがちに。
しかし、もし元夫(元妻)が住宅ローン滞納やほかの借金をした場合、手続きを放置したままでは問題が起こります。
ある日突然、予期せずタイミングで大切な自宅が強制売却となることも。
「手続きが難しい」「どうしてよいかわからない」という方は、ペアローンの問題を『ライフリノベーション』が解決提案いたします。
相談は終始無料、LINE相談は24時間365日受け付けていますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。
まとめ
離婚時のペアローン1本化は、借り入れた金融機関に相談することが第一歩となります。
ですが、共有名義の解消は金融機関にとってメリットがない点から、ハードルも高く一筋縄ではいかない場合が多いです。
しかし、その問題を先延ばしにしていると、自宅の強制売却といった大きな問題に発展しかねません。
大切なお家に住み続けるためにも、共有名義解消を専門に取り扱う『ライフリノベーション』は、あなたに適した解決提案をいたします。