住宅建築や購入を検討する場合、住宅ローンありきで考える方が大半ではないでしょうか?
ですが、思わぬ病気やリストラ・家庭の事情を背景に、住宅ローンの支払いが負担になるケースが少なからず発生します。
そもそも住宅ローンとは、マイホームを担保として金融機関から借り入れをしているものです。
毎月の返済が滞ると、最終的には競売にかけられ、せっかく購入したマイホームを失うことに。
では、住宅ローンの返済額が負担になった場合、解決策があるのでしょうか。
実は住宅ローンの返済に困った際はいくつか対処法があり、この対処法を先手で講じることで競売を回避できる可能性があります。
そこで、本記事では、住宅ローンが払えなくなる経緯を踏まえて、7つの解決策を紹介します。
住宅ローンの返済について困っている方は最後まで読み進めていただくことで、きっとお役に立つことでしょう。
住宅ローンが払えなくなる人の特徴
住宅ローンが払えなくなる人には共通する特徴があるので、ここでは3つ紹介します。
- 病気やリストラで収入が減った人
- 収入より支出が多い人
- 離婚をした人
①病気やリストラで収入が減った人
人生の中では、予期せぬ病気や事故に遭うこともあるでしょう。
病気や事故をきっかけに仕事へ行けなくなれば、当然収入も減ることに。
傷病手当が出たとしても、支給されるのは最長1年6ヶ月までで、給与の全額が保障されるわけではありません。
また、新型コロナウイルスの影響で、リストラを強いられた方もいるのではないでしょうか。
再就職先がすぐに見つかれば問題ありませんが、これまでのキャリアと同等の報酬を得られるとは限りません。
病気やリストラで収入源が減った結果、これまでどおりに住宅ローンの返済ができなくなる可能性が高まるといえます。
②収入より支出が多い人
月々の支出が収入額よりも多い状態が続く場合、住宅ローンの返済ができなくなる可能性があります。
支出額を知るために、ひと月の食費や光熱費・通信費などを書き出しましょう。
また、住宅ローンの借入額が自分の収入に見合っていない場合は要注意。
2022年度における住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローン返済額※の全国平均は、10万2,500円という結果が出ました。(※注文住宅の場合)
1年の返済額は123万円となるため、ローンを組む前に、収入から差し引いて生活ができるかの確認が大切になります。
生活費の支出が多かったり、無理な借り入れをしていたりする場合、ローン返済が滞る可能性が高まるので注意が必要です。
③離婚をした人
住宅ローンの滞納リスクは、離婚が原因でも起こり得ます。
住宅ローンを組む際、夫婦の共有名義であったり、連帯保証人になっていたりする場合は、離婚が成立しても返済の義務が発生。
夫婦2人の収入で生活費をまかなっていた場合、離婚後の住宅ローン返済は重荷となることでしょう。
返済できずに家の売却を試みたとしても、相手名義でローンを組んでいる場合は、連絡が取れないままだと売却も困難です。
滞納があると新しい住居ローンを組めないリスクも高まるので、返済が難しい場合は専門家への相談をおすすめします。
住宅ローンが払えなくなるとどうなる?
住宅ローンの返済が滞ると、最悪の場合、自宅を競売にかけられます。
競売とは、借主の返済が長期に渡り滞った場合、貸付をした金融機関が法的手段を経て強制的に家を売ること。
競売にかけられた家は、市場価格よりも格安で売られてしまうため、ローンの借主としては1番避けたい手段といえます。
競売までの流れは、以下のとおり。
【滞納期間】 | 【競売にかけられるまでの流れ】 |
1〜2ヶ月 | 金融機関から文書や電話での督促を受ける |
2〜3ヶ月 | 「来所」の依頼通知が届く |
6ヶ月ごろ〜 | 分割払いの権限を失う 保証会社によって「代位弁済」がおこなわれる |
8ヶ月〜 | 「差押え」の通知が届く |
9ヶ月〜 | 裁判所から「競売開始決定通知」が届く |
1年〜 | 現況調査が始まる |
1年6ヶ月ごろ〜 | 入札が始まる |
このように、滞納から1年6ヶ月ほどで競売となるため「家を残したい」「市場価格で売りたい」方は、早めの行動が重要となります。
住宅ローンを滞納したときの解決策7つ
住宅ローンの返済が厳しくなったときは、早い段階で以下の行動をとりましょう。
- 収支バランスを見直す
- 団体信用生命保険の保障内容を確認する
- 借り入れた金融機関へ相談する
- 他銀行に借り換えをする
- リースバックを活用する
- 家を売却する
- 債務整理を検討する
《解決1》収支バランスを見直す
「住宅ローンの返済が厳しい…」というときは、初めに収支のバランスを見直しましょう。
- 生活費
- 生命保険料
- 交際費 など
毎月の収支を見直すだけで、節約できた分を住宅ローンの支払いに回せる可能性があります。
自分で見直すことが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーへ相談するのがおすすめ。
弊社ではファイナンシャルプランナーへの相談が可能なので、お気軽にご相談ください。
《解決2》団体信用生命保険の保障内容を確認する
住宅ローンを組む際には「万が一のことがあり、住宅ローンを支払えなくなった場合の保険」として『団体信用生命保険(団信)の加入』が義務づけられています。
一般的に、団信の保険適用は死亡や高度障害であることが多いですが、契約内容によっては保険金が下りるケースも。
ケガや病気で療養が必要になり、収入が途絶えてしまった場合には、まず団信の保障内容を確認するところから始めてみましょう。
《解決3》借り入れた金融機関へ相談する
住宅ローンを借り入れた金融機関に、返済条件の見直しを依頼するのも効果的です。
金融機関には、以下の相談をしてみましょう。
- 借入期間を延ばしてもらう
- 一定期間だけ返済額を減らしてもらう
- 一定期間、利息分だけ支払う
- ボーナス返済分を見直してもらう
さまざまな返済プランがある中で、毎月の返済に加えてボーナス払いを設定している例も少なくありません。
返済額が増えるボーナス払いを見直してもらうだけでも、住宅ローンの滞納をストップできる可能性があります。
さらに、返済計画を見直すことで月々の返済額を減額したり、一定期間利息のみの支払いに設定したりすることが可能。
ただし、延長した分だけ返済期間が長くなるため、メリットやデメリットを含め慎重に検討するとよいでしょう。
《解決4》他銀行に借り換えをする
住宅ローンの金利は現在「低金利合戦」といわれるほど下がってきており、条件のよい銀行を見つけるのは難しいことではありません。
現在の金利と他行の金利を比較し、より安いほうで借りられる金融機関さえ見つかれば「借り換え」をするのも1つの方法です。
各金融機関の金利情報を調べるには「住宅金融普及協会」のホームページを活用するのがおすすめ。
ただし、借り換えをおこなう際には既存と新規のローンを合わせて50万円ほどの初期費用がかかる点がデメリットです。
- ローン残高が1,000万円以上ある
- 残存期間が10年以上である
- 借り換え後の金利が1%以上下がる
借り換えは、上記の条件を満たす場合にのみ有効な方法といえるでしょう。
《解決5》リースバックを活用する
「今の家に住み続けたいけれど固定費用を抑えたい」という方には、リースバックがおすすめです。
リースバックとは、リースバックの取扱会社や個人投資家などに自宅を売却し、家賃を支払うことで賃貸として自宅に住み続ける方法。
家の所有権は買主に移転されますが、固定資産税や家の維持費といったマイホーム所有時にかかるコストを減らせるメリットがあります。
引越しを回避できるため、子どもの学区変更も必要なく、近隣住民にも自宅を売却した事実を知られることもありません。
一般的に、賃貸借契約期間は2年と定められています。
そのため、長期間同じ家に住み続けることは難しく、2年後に引っ越さなければいけないケースも。
弊社では、難易度が高いといわれる「親族間でのリースバック」の相談も受け付けています。
「信用できる家族に家を売りたい」という方は、一度、弊社までご相談ください。
《解決6》家を売却する
住み替えを視野に入れている方は、思い切って売却し、まずは手元に現金を残すことを優先しましょう。
売却にて諸経費を除いた現金を住宅ローンの残債に充てることで、住宅ローン問題の解決を見込めます。
しかし、この解決方法はアンダーローンの場合のみであり、必ずしも売却価格が住宅ローンの残債金額を上回るとは限りません。
中古や立地が悪条件の物件などは査定評価に直結するため、相場より低い価格で取り引きされる可能性も。
まずは、物件の価値を知るためにも不動産査定を依頼し、どれくらいの金額で売却できるのかを把握しましょう。
家の売却価格が住宅ローンの残債より下回る場合は『任意売却』によって住宅ローンの残債を支払うことになります。
任意売却とは
借り入れた金融機関の承諾を得たうえで、自宅を売却する方法が『任意売却』
格安で自宅を手放す競売とは違い、市場価格に近い金額で売却できるメリットがあります。
自宅を売却してもローン完済ができない場合に活用できる方法となるので、検討する際は専門会社へ相談をしましょう。
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《解決7》任意整理を検討する
住宅ローン以外の借金が複数ある場合は「任意整理」をすることで、借金の負担を減らすことにつながります。
任意整理とは、返済期間を延ばすことで月々の返済額を減らしたり、利息分をカットしたりして完済を目指す方法。
任意整理を検討する場合は、借り入れた金融機関の承諾が必要です。
手続きや交渉が難しいため、行政書士といった専門家へ相談しましょう。
まとめ
一般的に住宅ローンは10年、25年、35年と、長い間返済し続けなければならず、車などのローンとは期間も異なります。
そのため、住宅ローンにしかない金利プランも用意されており、ほかのローンと比較しても優遇措置があるといえるでしょう。
最長期間は金融機関によって異なりますが、35年で借り入れをしている方が多いのではないでしょうか。
35年というと、購入した当時は幼かった子どもが成人して家族を持つほど年月も長く、ライフプランも変動します。
突然の病気やリストラなどで就業できずに収入が減り、住宅ローンの支払いが難しくなることもあるかもしれません。
住宅ローンの支払いが難しいと感じたら、金融機関や専門会社に相談し、リースバックの利用や住宅の売却を検討してみましょう。
早めの対処で選択肢が広がるため、まずは住宅ローンの返済に悩んでいる方を対象にした
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